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実例から見るプロジェクトが炎上する理由とは

コンサルタントは激務であることの理由は、プロジェクトが炎上するからです。
そもそもプロジェクトが計画通り問題なく進んでいれば、コンサルタントは夜遅くまで働く必要がありません。
では、なぜプロジェクトは炎上するのでしょうか?

私はこれまでいくつもの炎上プロジェクトを経験してきました。
それらの実例から、プロジェクトが炎上する原因を紐解いていきましょう。

炎上理由① 計画が甘い

当たり前の理由かもしれませんが、炎上プロジェクトの殆どがこれに当てはまります。

プロジェクトを進めるにあたって、まず最初に行うことは、プロジェクトを実行する計画の策定です。
プロジェクトを進める上での工程は何か、各工程でどれぐらいの工数がかかるかを見積もり、どれぐらいのリソースをかけてどれぐらいの期間で進めていくのかを計画します。
その計画が、プロジェクトを進める上での指針となるわけです。

しかし、計画通りに物事は進まないのが世の常です。様々な理由からプロジェクトは遅延していきます。

実例として、比較的世に出て新しいアーキテクチャを採用し、システム構築を行うというプロジェクトがありました。
プロジェクト内には、そのアーキテクチャの有識者がおらず、開発にどれぐらいの工数がかかるのかを正しく見積もれる人はおりませんでした。
その結果、開発工数が莫大に膨れ上がり、当初の見積もりの5倍以上の開発工数がかかってしまいました。

プロジェクトを進める上で、計画を立てることが最も重要である、というわけです。

炎上理由② クライアントをコントロールできない

コンサルタントはクライアントの前に立ち、プロジェクトをリードする必要があります。
いくつかの意見が対立した時には、それぞれの意見を取りまとめ、比較検討し方針を決定する、そしてクライアントに納得させる必要があります。

しかし、一度クライアントからの信頼を失うと、プロジェクトは崩壊していきます。
私が過去に経験したプロジェクトでは、システムの品質が問題でクライアントとの信頼関係を失ってしまいました。
本来であれば、システムのテストをクライアントにも実施してもらう方針でしたが、度重なるシステム不具合に怒り心頭に発したクライアントはテスト実施を放棄しました。

結局クライアント側のテストをこちらで巻き取らなければならず、工数は莫大に膨れ上がってしまいました。

炎上理由③ プロジェクトキーマンが意思決定できない

プロジェクトは意思決定の連続です。
問題を解決するためのいくつかの選択肢があり、それぞれがトレードオフであるような場合、どれを選ぶべきかは慎重にならざるを得ません。

コンサルタントはそのような場面で、問題を分析し、解決策を絞り込み、様々な軸で比較検討し最適な案をクライアントに提案します。
ただし、コンサルタントが行うのはあくまで提案です。意思決定はクライアントが行います。

これがプロジェクト内で意思決定できないと悲惨です。
本来であれば、プロジェクトにはクライアント側のキーマンが意思決定を行い、必要に応じてクライアント社内の調整を行います。

私が過去に経験したプロジェクトでは、このキーマンが意思決定できず、意思決定者が点在してしまっていました。
そうなると、意思決定の度に、意思決定者探しから行わなければならず、意思決定のスピードが極端に遅くなってしまいました。

炎上理由④ チームの雰囲気が悪い

プロジェクトの仕事がどんなに辛くても、励まし合える仲間や、信頼できる上司がいれば乗り越えることができます。
しかし、プロジェクトメンバーの仲が悪かったり、ギスギスした雰囲気だと、モチベーションを保つことが非常に難しくなってしまいます。

私が過去に経験したプロジェクトだと、リーダーの性格がきつく、下のメンバーとの関係がうまく行かずに、退職や中にはメンタルを崩し休職する人が続出していました。
そうすると、プロジェクト内にノウハウやナレッジが蓄積されず、プロジェクトの効率は極端に下がってしまいます。
チームワークが重要であることはリーダーである立場なら心がけるべきでしょう。

まとめ

様々な理由から、プロジェクトは炎上していきます。
もし炎上してしまった場合、原因を特定し、速やかに対処しましょう。そうしないと鎮火は難しいです。
まあ、難しいんですけどね。

反面教師にしよう!嫌われるコンサルの特徴ワースト3

普段、コンサルタントと一緒に仕事をする機会はあるのでしょうか?

もし一緒に仕事をする機会がなくても、学生時代の友人でコンサルタントとして働いている人などを思い浮かべてみてください。
何かあいつ嫌なやつだよなーってコンサルタント、一人や二人存在しないでしょうか?
今回はそんな嫌われコンサルをフィーチャーしたいと思います。

嫌われるコンサルの特徴

では、参りましょう!ワースト3の発表です。

ワースト3位 コンサル用語を多用する

第3位はコンサル以外には通じないであろう、横文字を多用するコンサルです。
大体は学生時代の友人に多いタイプです。

コミュニケーションが命と言うべきコンサルタントが、通じない言葉を使って何になるのでしょうか?大体そういうコンサルは、コンサル用語使っている自分に酔いしれているだけです。
可愛いやつだと思って接してあげてください。害はないです。

以下のリンクで、ウザいコンサル用語のランキングをまとめています。興味があればご覧ください。

ワースト2位 人間の感情が無い

第2位は、人間の感情が欠如しているコンサルです。

冗談が通じなかったり、必要以上に部下を詰めたり、人間としての優しさを失っているコンサルです。クライアントにも容赦なく歯向かいますし、議論の場では淡々と論理で攻め立てます。

仕事自体はでき、大体の場合、仕事が大好きで鬼のように働きます。それ自体はいいのですが、厄介なのは鬼のような働き方を周りにも求めるところです。
こういうコンサルが上司になると地獄です。

ワースト1位 マウントを取りがち

ワースト1位は、マウントを取りがちなコンサルです。

マウントを取るとは、知識をひけらかしたり論破したりなどして、相手よりも上の立場になることを言います。
口は達者で頭の回転が早いため、真っ向勝負することはおすすめしません。体力を消耗するだけです。

このマウントを取りがちコンサルが厄介なところは、クライアントをうまく丸め込んで、プロジェクトをゴリゴリ推し進めることができるため、コンサルタント業界では評価されやすいというところにあります。
つまり、コンサルタントとして上の立場の人間に多いのです。

まとめ

そもそもコンサルタントとは、嫌われやすい職業の一つです。
クライアントの職場に入り込んで、業務上の問題点を指摘したり、ああしろこうしろと指示を出したり。現場の人間からしてみたら、何を偉そうにと思われがちです。

そんな難しい立場であるがために、より一層嫌われない努力をするべきではないでしょうか。人間関係あってこそのコンサルティングです。
嫌われコンサルを反面教師にして、信頼されるコンサルになりたいものです。

コンサルのネクストキャリアを考える!ポストコンサルの4つの選択肢

今回はコンサルタントのネクストキャリアを考えたいと思います。
同じコンサルティングファームでキャリアを積むのも一つの選択肢ですが、コンサルタントとしての能力を高めることで、様々なキャリアの選択肢が広がっていきます。では、どのような選択肢があるのでしょうか?

コンサルタントの市場価値が高い理由

コンサルタントの主なスキル・能力として挙げられるのが、問題解決力です。
様々な企業では、会社全体あるいは社会全体の課題を解決するために、問題解決力の高い人材を欲しているわけです。そこで、複数のプロジェクトを通して、クライアントの課題を解決してきた経験豊富なコンサルタントが求められています。

ポストコンサルの選択肢

①事業会社

いわゆる一般企業への転職パターンです。事業会社では、業務や組織の改革のために、ポストコンサル人材を積極的に採用しています。
戦略系のコンサルタントであれば、経営企画やM&Aに関わる部署、ITコンサルタントであればシステム系の部署への転職がネクストキャリアとして挙げられるのではないでしょうか。

事業会社に転職するメリットとしては、これまでコンサルタントとして経験できなかった戦略の実行部分の経験が積めることや、ワークライフバランスを重視した働き方ができる点などが挙げられます。

また、コンサルタントとしての実績が評価されれば、大手事業会社の幹部候補やCxO職としてのキャリアが積めるでしょう。ただし、そういったハイキャリア転職でない場合は、一般的に事業会社の給与レンジが低いため、給与が下がってしまうというデメリットもあります。

②スタートアップ企業

ベンチャー企業、特にスタートアップ系の企業への転職パターンです。
会社自体が大きく変革・成長している段階であり、コンサルタントとしての問題解決力が最も求められる状況にあります。
特にビズリーチで送られてくるスカウトや、ヘッドハンターから提示される案件の中にも、こういった成長段階のベンチャー企業の案件が多くあります。

スタートアップ企業への転職のメリットとしては、会社全体が大きく変革していることを実感できるワクワク感や、自分の能力で会社を成功に導けるというやりがいが挙げられます。また、ストックオプション制度がある場合、会社の成長によって多くの報酬を受け取れる可能性がある、いわば宝くじのような夢もあります。

逆にデメリットとしては、企業が必ずしも成長するとは言えないということです。ただし、たとえ失敗したとしても、そういった経験はかけがえのない財産になるのではないでしょうか。

③別のコンサルティングファーム

コンサルtoコンサル、ファームtoファームとも言いますが、コンサルティングファーム間を移っていくキャリアパスです。

シニアコンサルタントからマネージャー、マネージャーからパートナーなど、確実にキャリアアップできますし、能力のミスマッチが起こらないことがメリットでしょう。
私がよく聞くキャリアとしては、大手のコンサルティングファームのマネージャー職から、新興あるいは中小規模のコンサルティングファームのパートナー職への転職です。元のファームの同僚や上司からの引き抜きも頻繁に行われているようです。

デメリットはあまり思いつきませんが、面白みがないことぐらいでしょうか?笑

④起業・独立

最後の選択肢としては、起業やフリーランスのコンサルタントとして独立することです。
コンサルタントとしてのスキル・経験と、その経験の中で得た人脈を武器にして、自分で仕事をとってきて働くというスタイルです。

大きなメリットとしては、収入が飛躍的にUPするということでしょう。コンサルタントとしての単価=自分の収入になりますし、何よりも税金対策ができるため、手取り額がかなりUPするでしょう。

デメリットとしては、自分で仕事を取れない場合に収入が得られないということでしょう。ただし、フリーランスコンサルタントであれば紹介会社なども多くありますし、確かな経験とスキルがあれば食いっぱぐれることはないでしょう。

まとめ

私自身も常日頃考えていることを今回記事にしてみました。これからのキャリアをどう描くのか、参考になれば幸いです。

システムエンジニアとITコンサルタントとの違いとは?

SEとITコンサルタントの違いってなんでしょうか?
何となく違うことはわかっていても、いざ考えてみると答えがすぐは出てこないのではないでしょうか?私も一度転職の面接で質問され、答えに詰まった記憶があります。

今回は、SEとITコンサルタントの違いを考えたいと思います。

そもそもシステム開発の流れとは

①構想

IT戦略や、システムの構想を練るフェーズであり、プロジェクト全体のゴールや方向性を決定するフェーズです。どのようなシステムを開発すべきか、あたらしいシステムで実現したいことはなにかといったような大義名分を決めていきます。

②要件定義

顧客の現状のシステムや業務の課題などを洗い出した上で、新しいシステムではどのようなことができればよいか、という顧客の要件を洗い出すことを要件定義といいます。
システム開発の要とも言える工程であり、その後のプロジェクトの方針や規模を決定する重要な工程です。

③設計

要件定義で洗い出した要件をもとに、その要件を満たすシステムの機能を設計していきます。例えば、システムの画面で入力する項目を定義したり、その入力項目を使って処理をするロジックを定義したり、データが保存されるデータベースを定義したりします。

④実装・テスト

設計した内容をもとにプログラミングを実施し、実際のシステムを開発します。また、実際に完成したシステムが正常に動くかどうかを確かめるフェーズです。

⑤稼働・保守

システムが完成し、正常に動くことが確認できたら、いよいよ稼働を迎えます。稼働して終わりではなく、稼働後に見つかった不具合修正や、システムのメンテナンスやユーザーサポートなどを担います。

SEとITコンサルタントの違い

①仕事の範囲

図で示したように、ITコンサルタントとSEとでは、仕事の範囲が異なります。
ITコンサルタントは、構想フェーズから顧客のIT戦略やシステム構想を描くコンサルティングを行うのに対し、SEは基本的に要件定義以降のシステム作りの仕事を担います。

ただし、構想フェーズ以降の仕事については、基本的にITコンサルタントとSEの仕事内容は同じです。ITコンサルタントもSEと同様にシステムの設計をしたり、プログラミングをしてシステムを作り上げていきます。

②求められる役割

結果的に、ITコンサルタントとSEとで、同じような仕事を行うのではあるのですが、求められる役割や責任範囲に違いがあります。
ITコンサルタントとSEともに、システムの構築・導入という役割を担っていますが、それに加えてITコンサルタントは、顧客の経営上・業務上の課題をITというソリューションで解決するという大きな役割を担っています。そのため、顧客はITコンサルタントに、経営や業務のプロフェッショナルとしての価値を期待し、ITコンサルタントもそれに応えるプロフェッショナルでなくてはならないわけです。

まとめ

このように、マクロ的に見ると大きく役割の違いはあれど、ミクロではSEとITコンサルタントの境界線って実は曖昧なんですよね。ITコンサルタントといってもSEと同じような仕事をするわけで。ITコンサルタントと名乗りながらも、やっていることはSEと同じというコンサルタントも多くいます。
またそれ故に、ITコンサルタントとSEの仕事の親和性は高いとも言えて、SEからITコンサルタントへの転職も盛んに行われているのが現状です。コンサルへの転職については、こちらの記事もぜひご参考ください。

現役コンサルが考える!アベイラブルの有意義な過ごし方

アベイラブルって言葉、ご存知でしょうか?
コンサルティングファームに所属するコンサルタントにとっては馴染みのある言葉です。本日はこのアベイラブルについて書きたいと思います。

アベイラブルとは

英語では「available」と書きますが、直訳すると「利用可能な」という意味になります。コンサル用語では、コンサルタントがプロジェクトに所属していない期間、プロジェクトとプロジェクトの間の期間のことを指します。
アベイラブルの期間にいることを「アベる」と言ったりもします。

激務のプロジェクトが一段落し、ホッと一息をつけるタイミングでもあり、次のプロジェクトで頑張るための充電期間でもあるわけです。
このいわばモラトリアム期間を有意義に過ごす事が、コンサルタントとして充実したキャリアを積むことにつながるのです。

アベイラブル期間はどのぐらい

アベイラブル期間は、次のプロジェクトのタイミングなどにもよるので、一概には言えませんが、短くて1週間から最長でも1ヶ月ぐらいのイメージです。
うまく次のプロジェクトが見つからない場合は1ヶ月以上伸びる可能性もあります。

アベイラブルの過ごし方

①長期休暇

プロジェクト期間中はなかなかまとまった休みが取れないため、アベイラブル期間に長期休暇を取るコンサルタントが多いです。
海外旅行など、仕事の疲れをリフレッシュし、次のプロジェクトへの活力を養うという最高の過ごし方だと思います。

②研修・自習

コンサルタントとしてのスキルを伸ばすために、自己研鑽に励むという過ごし方です。
コンサルティングファームでは、ドキュメンテーションやロジカルシンキングなど、様々な研修が用意されております。集合研修だけでなく、e-learningも充実しており、手軽に研修を受けることが可能です。
研修のクォリティーも非常に高く、お金を出してでも受けるべき内容のものが多いです。

③他のプロジェクトワーク

どうしても仕事をしていないと落ち着かない!というコンサルタントは、他のプロジェクトの細々とした作業を実施することも可能です。資料作成などのワークや、パートナーやマネージャーなどの営業同行など、様々な仕事があります。

④副業

あまり大きな声では言えませんが、副業を持っている方にとっては、副業に勤しむチャンスでしょう。あるいは、副業をしていない方にとっても、新たに副業を始める良い機会かもしれません。
もちろん、アベイラブル期間中も会社から給料は出ますから、副業との二重取りが可能なわけです。

⑤転職活動

こちらもあまり大きな声では言えませんが、転職活動をするチャンスでもあります。時間に余裕がありますから、面接などの日程調整もしやすいでしょう。
アベイラブル期間は自分のキャリアを考えるとてもいい機会なので、転職するのか、あるいは同じ会社で新しいプロジェクトに入るのか、天秤にかけてみるのもありですね。

転職活動については、こちらの記事もご参考ください。

まとめ

今回はアベイラブルについて記事を書いてみました。アベイラブルも無駄に過ごさないことが、充実したコンサルライフを過ごすことに繋がるのだと思います。

コンサル業界にテレワークは定着するのか

コロナ禍のテレワークの流れはコンサル業界も例外ではありません。私がテレワークを半年以上続けてみて感じたことを書いてみたいと思います。

テレワークのメリット

通勤時間が節約できる

私が感じた最大のメリットがこれです。在宅勤務開始前は、自宅から職場まで片道1時間半かけて通勤していたため、往復3時間の通勤時間が節約できるようになりました。

つまり、1日3時間多く寝ることができるようになったのです。

満員電車からの開放

これも通勤に関わるところですが、満員電車に乗らなくて済むようになりました。ストレスからの開放です。

マイペースで仕事ができる

朝起きたままの格好で仕事をしたり、ベッドで寝転がりながら作業をしたり、もはややりたい放題です。

テレワークのデメリット

コミュニケーションコストが大きい

これまでは、口頭で10秒会話すれば済んだコミュニケーションであっても、メールやチャットを使うようになり、多くの時間をかけてしまうようになってしまいました。
あるいは、口頭であれば取っていたコミュニケーションも、文字に起こす煩わしさからコミュニケーションを省いてしまい、仕事でミスを起こしてしまったり。コミュニケーションに起因する問題が発生しがちになったように感じます。

メンバーの管理がしづらい

メンバーを管理する立場にとっては、メンバーの勤務状態が見えないことのデメリットは大きいです。これまで以上に、仕事の量や進捗を見える化することがより一層重要になってきます。

集中しづらい

家では勉強できない理論と同じように、家では仕事に集中できないです。少なくとも私は。特に、喫緊の対応が不要なタスクなんかは、必ず後回しにしてしまいます。

まとめ

コンサル業界にテレワークは定着するのか?結論としては、定着しないと思います。やはり、コミュニケーションの問題は大きく、特にコンサルタントにとっては死活問題になりかねません。

また、クライアントの勤務体系にも合わせる必要があるため、まずは日本企業全体にテレワークが浸透することが、コンサル業界がテレワークにシフトする条件になるのではないでしょうか。

デスマーチを振り返る!残業月300時間やってわかったこと

働き方改革だ36協定だと世間では言われておりますが、未だコンサル業界では激務がデフォルトです。

もちろんプロジェクトによって程度は変わるのですが、私がこれまで経験した中で最もハードで激務だった時の経験を綴ろうと思います。

激務に至るまでの経緯

経緯① プロジェクトへのアサイン

当時私は社会人2年目のペーペーで、とあるメーカーの基幹システムを導入するプロジェクトにアサインされました。プロジェクトのフェーズとしてはユーザーの受入テストが始まろうとしているタイミングでした。

ですが、いざテストをしてみると、機能が全く動かず、とてもクライアントに引き渡せるような品質ではなかったわけです。

そこから地獄のような日々が始まりました。いわゆるデスマーチというやつです。

経緯② 去って行く同胞たち

プロジェクトにアサインされて3ヶ月ぐらいの間に、チームリーダーが居なくなり、替わって入ったチームリーダーもすぐ居なくなり、メンバーとして一緒にやっていた先輩1人も居なくなりました。

激務とクライアントからの強烈なプレッシャーで、肉体的にも精神的にも削られ、退職や休職に追い込まれていったのです。そんな中、新しく入ったチームリーダーとメンバーは私1人という体制でプロジェクトを進めることになりました。

経緯③ 終わらない仕事 月300時間残業

とにかくとんでもない作業量が降りかかってきて、ただでさえペーペーですから仕事が終わるはずがありません。
もうそうなると労働時間で解決せざるを得ないわけです。土日なんてあるはずもなく、月月火水木金金です。
週の半分でも帰れるかどうかというのが3ヶ月ほど続きました。

ちゃんと記録してはいませんでしたが、気がつけば残業は月300時間を超えていました。残業だけで。(もちろん残業代なんて出ません。)

振り返ってみて

わかったこと① 肉体面のきつさ < 精神面のきつさ

若さもありましたが、労働時間が多いことに対する辛さよりも、クライアントからのプレッシャーなどの精神的なダメージのほうが効くことがわかりました。

例えばデータ作成や打鍵などの単純作業を徹夜でやるよりも、クライアントとの打ち合わせの時間の方が何倍も辛かったです。

わかったこと② ピークを超えるとゴミになる

徹夜した後の2日目、3日目なんかは、もはや頭が動きません。直前まで何をやっていたかがわからなくなったり、考えられないようなミスをしてしまいます。

一番酷かったのは、ちょっとトイレに立ったあとデスクに戻った時、PCのログインパスワードが思い出せなくなったことでした。あ、もうだめだと思い、30分ぐらい仮眠を取ったら思い出せました。

当たり前ですが、休んだ方が生産性は上がりますよね。

わかったこと③ モチベーションの維持が難しい

激務の先に得られるものがあるのならば、体力の続く限り働き続ける事は可能だと思います。

ただ当時の私は、このプロジェクトはどうせ失敗すると思っていましたし、どれだけ働いても1円ももらえませんでした。プロジェクト成功の喜びや、金銭などのモチベーションがなかったわけです。

当時の私は、ここで辞めたら一生頑張れない人間になるぞと何度も自分に言い聞かせる事で、モチベーションを保っていました。今となってはそんなこと考えようとしませんが。。

まとめ

激務で失ったものは数多くあれど、その経験から得たものも無いわけではありません。チームをまとめる立場となった今、リソースの管理やモチベーションの管理に力を入れることができています。それも、前述の経験があったからかもしれません。

働き方改革が浸透しつつある今、もはやそんな働き方は昔話ですね。

ちなみに、前述のプロジェクトは、無事にゴールを迎えることができました。めでたしめでたし。

現役コンサルが語る!コンサル業界は激務なのか

コンサル業界に入るにあたって、最も大きな心配事は労働時間ではないでしょうか。

コンサル=激務とはよく言われることですが、実態はどうなのか、私1個人の見解を綴ろうかと思います。

コンサルは激務なのか

先に結論を述べると、コンサルは激務です。もうそれは紛うことなき事実でしょう。

ではなぜ激務なのか、一体何がそうさせているのか。。

激務の理由① そもそも労働時間で評価されない

コンサルの仕事の評価は、労働時間ではなく、成果で決まります。どれだけ徹夜しようが、休日出勤しようが、成果が無ければ仕事の価値はゼロなのです。

これはコンサル業界だけでなく、広告代理店やSIerなども同じことが言えますが、コンサルはプロジェクトベースで仕事をしています。

プロジェクトベースで仕事をしているとはつまり、明確に期限があって、その期限内に成果を出さなければならないことを意味します。つまり、成果を出すまでは帰れないということなのです。(極論ですが)

逆に言うと、成果さえ出れば労働時間は少なくてもOKなはずです。ですが、そんな場面はほとんど訪れません。一体なぜなのか。

激務の理由② プロジェクトは遅延する

成果さえ出せれば、別に昼前に帰っても、休んでも許されるわけです。しかし、そんなことは起こらないのがコンサル の世界です。なぜならプロジェクトというのは必ずといっていいほど遅延するからです。

PMBOKによると「プロジェクトとは、独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施する有期性のある業務」と定義されます。この「独自の」というのが非常に厄介なのです。

似たようなプロジェクトはあるでしょうが、完全に同じプロジェクトは存在しません。つまり、プロジェクトの全てのリスクを予め想定し対策することは不可能なのです。

激務をどう乗り切るか

コンサル業界に入った以上、激務は受け入れるべきでしょう。ですが、それで潰れてしまうのはとても悲しいことです。

実際私もこれまで何十人も潰れていく人を見てきて、また私自身も激務をこなしてきた中で激務を乗り切るために、潰れてしまわないために必要なことをまとめてみます。

行動面

生産性を極限まで上げる

自分ができる範囲の事は出来る限り効率化しましょう。単純な繰り返し作業であれば、自動化できないか、あるいはツールなどを利用できないか検討してみましょう。

それはもちろん単位時間あたりの仕事量を増やすことが目的ですが、それだけではなく、上司に「お前の仕事が遅いから終わらないんだ」といった反論の機会を失くすためでもあります。

早めのアラート

どれだけ仕事を早くしても、こなしきれないぐらいの仕事量が降ってくる時があります。その場合は、PMやTLのリソースプランに実現性が無いということです。

早めにアラートをあげましょう。ただし不足工数などは定量化した上で上司に話しにいきましょう。そうしないと、自分の能力不足のせいにされかねません。

マインド面

自分の代わりはいくらでもいるという思え

どれだけ激務でも、どれだけクライアントからのプレッシャーが強くても、「自分がいないと回らないから」と働き続けてしまいがちです。
ですが、案外自分がいなくてもプロジェクトは進むものです。しんどい時は休みましょう。

他責してもいい

時間が無いから、とか、環境が悪いから、などといった他責はコンサルには御法度です。

努力もせずに他責ばかりするのは社会人としてどうなのかと思いますが、自分の努力ではどうしようもない時は他責しちゃいましょう。リソース管理ができていないのはリーダーやマネージャーの責任です。

まとめ

コンサル業界は激務です。そして、コンサルとは激務であるべきといった考えを持っているコンサルもかなりの数いると思います。
ただし、最近は働き方改革の影響もあり、労働時間の管理もしっかりしてきた印象です。コンサル業界=激務の等式が崩れ去る日がもうすぐくるかもしれません。

絶対に使ってはいけない?!コンサル用語ウザい度ランキング

コンサルタントという人種が特に好んで使う用語を紹介したいと思います。
コンサル業界では、共通語のように使われている言葉なので、コンサル業界に興味がある方はぜひ覚えてください。

ただし、間違ってもコンサル以外の人と話すときにはコンサル用語を使わないようにしましょう。かなりの確率でウザがられてしまいます。
そういう戒めも込めて、今回はコンサル以外の人と話すとウザがられる度でランク付けをしてみました。

ウザ度☆☆☆ 友達失くすレベルのコンサル用語

MECE

コンサル業界では頻出の単語です。読み方はミーシー。ミッシーと言う人もいます。
Mutually Exclusive, Collectively Exhaustiveという英語の略語で、「漏れなく、ダブリのない」状態を指す単語です。

ちなみにコンサル業界に1年以上いると、MECEではない状態のものを見るとアレルギー反応を引き起こすようになります。

AsIs・ToBe

AsIs(アズイズ)とは、現状の姿。ToBe(トゥービー)とは、あるべき姿を意味します。

コンサルの仕事とは、AsIsを分析し、ToBeを描き、実現する仕事です。たいていセットで使われる用語なので、合わせて覚えましょう。

KT

Knowledge Transferの略語で、情報を伝達することを意味します。

たいてい、プロジェクトに途中から入ってきた人に、情報を引き継ぐことを意味します。もはやKnowledge Transferとフルネームを聞いてもしっくりこない人が大勢いるでしょう。それをさらにイニシャルに略してしまっているので、もう救いようがありません。

Nice to have

「マストではないが、あればいい」ものを示す言葉です。たいてい上司が使いますが、上司が使ったとしてもちょっとウザいレベルの言葉なので、友達同士で使うとなおさらです。

使用例としては、
「このタスク、今日中にやっておきましょうか?」
「Nice to haveでよろしく!」

ウザ度☆☆ 周りと壁ができるレベルのコンサル用語

コンティンジェンシープラン

計画は順調に進まないものです。もしもの時のために、リスクを想定し、対応策を考えなければなりません。それがコンティンジェンシープランです。コンチプランと言ったりもします。

とにかく、コンサル以外の人に長すぎるカタカナを使うのは避けるのが吉です。

ファクト

意味はそのまんま、事実という意味です。

至ってシンプルな言葉ですが、コンサル以外でファクトという表現をつかう人種はいないでしょう。コンサルは、あらゆる情報に対して、ファクトなのかどうかを疑います。特に他人に対して使うときは気をつけなければいけません。信頼関係を損ねます。

アジェンダ

会議の議題のことです。

コンサルの会議では、アジェンダが非常に重要視されます。アジェンダのない会議は、コンサルにとっては時間の無駄なのです。

しかし、一般的に日本企業ではアジェンダの無い会議が山程あります。会議をすること自体が目的なのです。そういう企業では、コンサル嫌いの人が多数を占めています。

フィージビリティ

実現性という意味の言葉です。

主にプロジェクトの計画を評価するときに使う言葉です。クライアントの言い値でスケジュールを引いてしまうと、フィージビリティの無い計画になってしまうので注意しましょう。

ウザ度☆ 話す相手によっては引かれるレベルのコンサル用語

コミット

最近は、ライザップのCMのおかげで市民権を得た言葉ではあります。

日本語で言うと「約束する」といった意味ですが、「守れなかったら責任とります」といったニュアンスが含まれています。そのため、上の立場の人が下の立場の人に使うと、パワハラにもなりかねない言葉です。

プロモーション

一般的には、広告などの「販売促進活動」を示すことが多いですが、コンサル業界では「昇進」を意味する言葉です。

プロモーションの話は、時にセンシティブな内容なので、コンサル同士であっても使い方に気をつけましょう。

アサイン

コンサルはプロジェクト単位で仕事をしますが、プロジェクトに配属することをアサインといいます。類義語にドナドナという言葉があります。

アベイラブル

アベイラブルとは、プロジェクトにアサインされていない状態を指す言葉です。

プロジェクトから開放されたという開放感から、長期休暇でバカンスに行ったり、知識のアップデートをしたりと自由に過ごせる期間です。
ただし、このモラトリアム期間が長く続くと、自分は社会から必要とされていないんだという気持ちに陥ってしまいます。
そして、もちろんこの言葉もコンサル業界以外では通じないので、使わないようにしましょう。

まとめ

以上、コンサル用語を紹介しました。
また思いついたらアップデートします!