実例から見るプロジェクトが炎上する理由とは
コンサルタントは激務であることの理由は、プロジェクトが炎上するからです。
そもそもプロジェクトが計画通り問題なく進んでいれば、コンサルタントは夜遅くまで働く必要がありません。
では、なぜプロジェクトは炎上するのでしょうか?
私はこれまでいくつもの炎上プロジェクトを経験してきました。
それらの実例から、プロジェクトが炎上する原因を紐解いていきましょう。

炎上理由① 計画が甘い
当たり前の理由かもしれませんが、炎上プロジェクトの殆どがこれに当てはまります。
プロジェクトを進めるにあたって、まず最初に行うことは、プロジェクトを実行する計画の策定です。
プロジェクトを進める上での工程は何か、各工程でどれぐらいの工数がかかるかを見積もり、どれぐらいのリソースをかけてどれぐらいの期間で進めていくのかを計画します。
その計画が、プロジェクトを進める上での指針となるわけです。
しかし、計画通りに物事は進まないのが世の常です。様々な理由からプロジェクトは遅延していきます。
実例として、比較的世に出て新しいアーキテクチャを採用し、システム構築を行うというプロジェクトがありました。
プロジェクト内には、そのアーキテクチャの有識者がおらず、開発にどれぐらいの工数がかかるのかを正しく見積もれる人はおりませんでした。
その結果、開発工数が莫大に膨れ上がり、当初の見積もりの5倍以上の開発工数がかかってしまいました。
プロジェクトを進める上で、計画を立てることが最も重要である、というわけです。
炎上理由② クライアントをコントロールできない
コンサルタントはクライアントの前に立ち、プロジェクトをリードする必要があります。
いくつかの意見が対立した時には、それぞれの意見を取りまとめ、比較検討し方針を決定する、そしてクライアントに納得させる必要があります。
しかし、一度クライアントからの信頼を失うと、プロジェクトは崩壊していきます。
私が過去に経験したプロジェクトでは、システムの品質が問題でクライアントとの信頼関係を失ってしまいました。
本来であれば、システムのテストをクライアントにも実施してもらう方針でしたが、度重なるシステム不具合に怒り心頭に発したクライアントはテスト実施を放棄しました。
結局クライアント側のテストをこちらで巻き取らなければならず、工数は莫大に膨れ上がってしまいました。
炎上理由③ プロジェクトキーマンが意思決定できない
プロジェクトは意思決定の連続です。
問題を解決するためのいくつかの選択肢があり、それぞれがトレードオフであるような場合、どれを選ぶべきかは慎重にならざるを得ません。
コンサルタントはそのような場面で、問題を分析し、解決策を絞り込み、様々な軸で比較検討し最適な案をクライアントに提案します。
ただし、コンサルタントが行うのはあくまで提案です。意思決定はクライアントが行います。
これがプロジェクト内で意思決定できないと悲惨です。
本来であれば、プロジェクトにはクライアント側のキーマンが意思決定を行い、必要に応じてクライアント社内の調整を行います。
私が過去に経験したプロジェクトでは、このキーマンが意思決定できず、意思決定者が点在してしまっていました。
そうなると、意思決定の度に、意思決定者探しから行わなければならず、意思決定のスピードが極端に遅くなってしまいました。
炎上理由④ チームの雰囲気が悪い
プロジェクトの仕事がどんなに辛くても、励まし合える仲間や、信頼できる上司がいれば乗り越えることができます。
しかし、プロジェクトメンバーの仲が悪かったり、ギスギスした雰囲気だと、モチベーションを保つことが非常に難しくなってしまいます。
私が過去に経験したプロジェクトだと、リーダーの性格がきつく、下のメンバーとの関係がうまく行かずに、退職や中にはメンタルを崩し休職する人が続出していました。
そうすると、プロジェクト内にノウハウやナレッジが蓄積されず、プロジェクトの効率は極端に下がってしまいます。
チームワークが重要であることはリーダーである立場なら心がけるべきでしょう。
まとめ
様々な理由から、プロジェクトは炎上していきます。
もし炎上してしまった場合、原因を特定し、速やかに対処しましょう。そうしないと鎮火は難しいです。
まあ、難しいんですけどね。








